リボンの騎士ミュージカルDVD感想

何をそんなに喋りたいのか、いざ書き出すと読み返したくもないほどの長文に…;いちおう自分お客様だから(笑)けっこうエラそうに書いちゃってます。
(11日朝に後半文章を若干加筆修正しました)
※ここから先はネタバレあり、ご注意!

参考:
リボンの騎士・ザ・ミュージカル 公式ホームページ
UP-FRONT WORKS (CM映像が見れます)


私自身について、立場?や予備知識の有無など一応紹介を。
(検索でココへ直接アクセスされたお初の方もいると思うので)

モーニング娘。ほかハロプロメンバーの知識に疎い。
宝塚歌劇は好きだが、最近のメンバーや作品等には疎くなっている。
本家の「リボンの騎士」ファン歴xx年。アニメ版フランツ好き。手塚作品好き。
ミュージカルは8/26昼公演、オリジナルキャスト版を一度だけ観劇。
想像していたより遥かに良かった。役替わり版を観損ねたのが残念(><)
以来、DVD化&入手を心待ちに。

歌劇団とアイドルグループを比べてどうこう批評する事に、あまり意味は感じていない。演出家自身「モーニング娘。で宝塚をやる気はない」と名言していたし、それぞれに積み重ねてきたものが違うはずだから、どちらを持ち上げる気も落とす気もなし。心に響く作品を見せてもらえたらOK。


********** 品質 (作品内容以外) について **********

★ジャケットデザイン
ネット上に初めて公開された画像を見た時、少しガッカリ。
舞台用にせっかく全員かっこいい衣装をこさえたのだから、公演前に発表された宣伝写真の使い回しじゃなく、舞台扮装写真で新たにデザインして欲しかった。(もちろん肝心なのは中味であって、DVDが発売されただけでも嬉しいですよ!)


★パッケージ
各役替わり版 (特別出演Ver.) が、ダイジェストではなくほぼフル収録されていて万歳♪♪さらに特典映像付きのボリュームで、定価6800円は超良心的!

1公演がディスク2~3枚に分かれているため、話の途中で入れ替えなければならないのが少々面倒。第1幕~カーテンコールまで“ディスク1枚1公演”でまとめて欲しかった。でもまあ、入れ替えのタイミングでトイレに行ったり出来たから(笑)幕間気分は味わえたかも?

全編共通場面 (特出ゲストが出てない場面) が、全て使い回し映像なのには落胆。共通場面でもVer.毎に違うカメラアングルで見れる事を期待したのに…。ディスク枚数が増えて値段が上がってもいいから、使い回しは避けて欲しかった。


★画質&音質
今どきの高性能TVで見るとどうかはわからないが?
画質も音質も、ウチの10年以上使用のブラウン管TVで見る分には問題ナシ。
ただし音量差にムラがあり、随時調整のためリモコンは手放せない。
(曲が大音量で流れたと思ったら、台詞が小さくて聴き取りにくかったり)


★カメラアングル
「全体を映す引きのカットが欲しい」「この場面での、この人物の芝居をアップで抜いて欲しかった」等々随所に不満は感じたものの、役者の細かい仕草や表情の演技が確認出来たのは良かった。迫力こそライブには及ばないが、表情が判ると人物への感情移入度が増す。高橋サファイアと石川フランツの表情の変化が特に印象的だった。(私的には「あなたに会いたい」を歌いながら涙するリカンツ王子を観れただけでも、DVD買った値打ちあったなあと…(i▼i) 遠い客席からでは、そこまでは判らなかったもんね;)


********** 役替わり版の内容について **********

映像だけでは一概に判断出来ないが、全編見終わってみて
自分の中で一番しっくりきたのはオリジナルキャスト版だった。
以下、登場人物・場面毎に感じた事を。


★第2幕第1場「監獄」
牢番3人(役替わり版)よりも2人(オリジナル版)の方が、人物描写がすっきり整理されている。3人だと、ピエール以外の2人がぼやけてしまってる印象。
役替わりの石川さんも辻さんも、それぞれにピエールを熱演していた。が、やや抑えめの演技をしていたオリジナル版の三好さんのピエールは、貧困に苦しみながらも信念を捨てずに生きる人間の深みが、一層感じられた気がする。
辻さんVer.の、台本にない松葉杖は (突然の事故だから仕方ないとはいえ) どうしても違和感が拭えなかった。ピエールがサファイア親子にスープを運んでくる場面では、杖で両手が塞がっている辻ピエールの代わりに三好トロワがスープを運んでくるのだけど、そのトロワが後で“かわいそうだから食べ物を持ってきた”のは、矛盾していて妙な感じ…さっきスープあげたやん?とツッコミそうに(汗)
でも公演が目前に迫った状況では大幅な台本変更も出来ないし、あれが精一杯の対応だったんだろうと推察。

…それにしても。三好さんと岡田さんは、混乱しなかったかな?
全く別の場面の別の役ならともかく、同じ場面の牢番役で、バージョンによって微妙に違う台詞と動きを覚えなきゃならなかったんよね?
オリジナル版の台詞が、役替わり版の時にぽろっと出そうにならなかったかな…と、思わずいらん心配しちゃいました(-∀-;)


★石川さんの淑女役
特出ゲストがフランツを演じている役替わり版では、
石川さんはピエール&淑女担当。
オリジナル版のフランツ王子役はとてもハマっていたし、
ピエール役も悪くはなかったし、素のアイドル姿も可愛いのに。
淑女役だけ、微妙~に浮いてる…というか逞しく見えたのはナゼ?(汗)
おでこ全開の(微妙におばちゃんくさい/汗)カツラのせい?メイクのせい?
今回の本役である男役芝居作りの影響…??
(とはいえ、どの役柄も体当たりで熱演する石川さんの姿勢には好感持てました)


★役替わりフランツ比較
これも映像だけで判断すべきじゃないかもしれないけれど、
私の中では、オリジナルキャスト版の石川さんがダントツで
「(rikansの好きな・笑) フランツ王子らしい!」という結論に。
以下、3人それぞれの感想を。

・安倍フランツ
昔の少女漫画に出てくる優等生のような?どこまでも生真面目な正統派王子様、という印象。すっとぼけたお茶目さはあまり感じない。ある意味、原作フランツに一番近いイメージかも?
見た目的に、サファイアとの身長差がもう少しあれば…とは思うが、映像で観る限り許せるレベル。ただ、フランツ初登場場面の「これほどまでに顔を知られているとは」の時など、石川フランツのポーズや仕草がドキっとするほど“クサ格好良くきまっていた♪”だけに、その後で観た安倍さん版があまりぱっとしないポーズだったのには、物足りなさを感じた。王子様として格好良い見せ方を、もう少し研究してほしかった…なんて (ただでさえ難しい男役芝居の追求を;) 稽古期間の限られている特出ゲストさんに要求するのは酷かな?
歌唱も、CDで聞いた時の印象ほどには上手に聞こえなかった。声量だけなら、石川さんの方が声がよく出ていたように思う。情感はそれなりにこもっていたけれど。
もっと練習を積めていたら、さらに良くなったんじゃないか…という気がする。(何かの番組で高橋さんが「安倍さんだけは殺陣の場面で本気で向かってくるから、こっちも本気でよけなければならない」とコメントしていたエピソードが妙に好き。何事にも本気の姿勢はすばらしい…でもケガがなくて何よりでした!)

・松浦フランツ
プライド高く血気盛んで、ちょっぴり遊び人入ってる王子様、という印象。
上背もあり、見映えがした。(公式プロフを見ると、そんなに長身というわけでもないあやや…。あの舞台で長身に見えたのは、ブーツの高さ&娘。メンバーに小柄な子が多いせい?)
歌唱は、3人の中では一番上手で安定している。
ある意味、終始安心して観ていられる。・・・けど。
表層だけ格好良く器用に演じている感が拭えず、フランツとしての“中味”や深みが感じられなかった。どんなに上手に歌っていても、切なさが伝わらない。かっこいいのに、ときめかない。
(石川さんの「あなたに会いたい」を劇場で初めて聞いた時は正直「うわ、ちょっと辛い…;」と感じたが、聞いてるうちにじわじわと切なさが胸に迫ってきた。何事も技術だけじゃダメ。魂がこもってなければ人に伝わらない事を実感した。)
良くも悪くも、松浦さんなりの味が出ていたフランツだったと思う。

・石川フランツ
細かい感想は、9月にUPした観劇レポに書いたから省略するとして、
思えば自分にとっては、初見の第1幕の牢獄場面が、このミュージカルの世界に入り込めるかどうかのポイントになった。「あなたに会いたい」を歌い上げる石川フランツの姿にをがっつり捕まれたから(#▼#)。さらに映像で初めて判ったのは、あの場面で涙を流しているのは、3人の中で石川さんだけだったこと。フランツオタクとしては(爆)「ここまでフランツになりきってくれてありがとう!!」と感激せずにいられない。
この公演以外にも「リボンの騎士」を劇化した舞台作品をいくつか映像で観てきたけれど、ここまで魂が感じられた(そして萌えた)フランツ王子に会えたのは初めて。キャスティングした木村先生の見る目は神、とさえ言っちゃいます。
(ちょいと主観暴走気味・・・失礼;)


********** 全編共通の内容について **********

1回きりの観劇だと、各場面の演出や音楽等を記憶に刻むのには限界がある。
映像があれば、それらを何度でも確認出来るのが嬉しい。

★音楽 etc.
再聴出来た音楽 (CD未収録曲) で特に感動したのは、亜麻色の髪の乙女(サファイア)とフランツが、復活祭の夜に初めて出会って踊る場面の曲。このミュージカルのテーマ曲である「Mystery of Life」が切なくロマンチックにアレンジされていて、二人が恋に落ちた瞬間が伝わってくる。「ほんのひとときでも、女の子として幸せな時間を過ごせて良かったねサファイア」と、切ないながらも優しくときめいた気持ちになれた。(初見時はお芝居を追うのに精一杯?で、音楽にまで聞き惚れる余裕がなかったような…勿体ない;)
ちなみにこの場面、フランツに両手を預けるサファイアの手の動きが、指先に至るまでとても優雅で美しかった。こういうポイントにバレエの動きが活かされるんだなあ…と素人ながら再確認。

王殺害の嫌疑をかけられて投獄されたフランツが、亜麻色の髪の乙女に導かれ脱出する場面で「あいつは私に王子の誇りを捨てろと言ったのだ」と、サファイアへの怒りをぶつける。それを聞いた乙女の「そんなつもりでは!」という台詞と驚愕の表情は、素のサファイアそのもの。乙女の姿をしていながら、やや男役声になっていたのが印象的だった。好きな人に誤解されたサファイアの衝撃が伝わる。

意外だったのは、劇場で観た時には安心して聞き入った藤本ヘケートの歌唱が、映像では音程が数ヶ所ほど不安定に感じられたこと。それでも出演メンバーの中ではかなり上手に聞こえるが(ベテランの箙さん&マルシアさんは別格として)、劇場ではもっと歌声がのびやかで迫力が感じられた。
とはいえ、藤本さん演じるヘケートが魅力的だった事に変わりはない。出番は少なくても、ひとつひとつの出演場面が貴重で印象に残る、オイシイ魔女役。
客席からオペラグラスで観た時にも思ったが、物語ラストで神様のもとへ駆け寄ったヘケートの笑顔は、映像で観ても愛らしかった。

ちなみにオウムの声は、素で喋ってる声?それともエフェクトかかってる?
何回聞いてもめちゃくちゃ可愛いー!!(笑)

野望が砕かれ、愛する息子にまで拒絶された大臣の打ちひしがれた芝居も見逃せない。影のある大人の男の雰囲気を、吉澤さんは頑張って表現していたと思う。

(本職の箙さんは別として) 男役を演じたメンバーの中で一番「男役声」を出せていたのは、文句なしに主役の高橋さん。特に、第2幕の監獄場面でピエールに激昂した時の台詞と、ヘケートに女の魂を抜き取られて男性化してからの口調の数々は、宝塚の男役そのものといっても過言ではない。元々の声質で得している?かどうかはわからないが、たった半年の稽古期間で大したもんだと思う…(さすがヅカファン愛ちゃん!?)
(サファイアの方が男の子らしい声で、フランツの方が女の子のように高い声…といえばやはり、愛着あるアニメ版を連想してしまう私です)

****************************************************

ところで、映像でも劇場でも、このミュージカルを観た人の中で
「サファイアが自殺する」展開に懐疑的あるいは否定的な人はいるだろうか?
人によっては否定的な見方もある事を知ったので、自分なりの解釈を振り返ってみた。(自分なりの…といっても、観客の多くは以下のように解釈したのでは?と思っているのですが)

ラスト近くで、フランツから「どちらかが息絶えるまで戦う」という条件で決闘を挑まれたサファイア。この時点でサファイアが真実を打ち明けていれば…と思うけれど、憎しみに囚われている剣幕のフランツが、その対象である相手の言葉に耳を貸すとは思えない。(誇りを傷つけられたと誤解し、サファイアを憎み続けているフランツ王子。おバカさんだけど、原作に準じて描かれてるから仕方ない…)
しかし、たとえ女の魂を失っていても、
自分の愛した人を殺す事などサファイアには出来ない。
「憎しみにはゆるしを」という母からの教えを守り、
自分を憎む相手を一言も責めることなく
相手の剣に黙って飛び込み、自分の死を悟ったので真実を打ち明けた。
命をかけたサファイアの愛を目の当たりにしたヘケートは、ショックを受ける。
それがサファイアの蘇生に繋がり、ヘケート自身をも救う結果になった。

この場合の自殺は、苦痛から逃れたいためにする自分本位な自殺とは違うと思うが、「国を統治すべき者が個人的な都合で自殺するなんて。残された国は、多くの国民はどうなる?」と指摘されると、否定も一理あるような気がしないでもない。
しかし観劇当時はそういう発想に至るまでもなく納得が得られたし、それを言い出すと話の焦点がぶれてしまい、ヘケート救済にも繋がらないのでは??
原作と異なる展開ではあるけれど、このミュージカルにおいては、感動を呼んで物語が奇麗に収束するパターンはこの展開以外には考えられない。やはりサファイアは (たとえ母親を悲しませることになっても) フランツの剣に飛び込むしかなかったんじゃないか?と思う。
サファイアが自殺する以外の展開で、話を盛り上げ収束させる(観客を納得させる)パターンを具体的に考えられる人がもしいたら、ぜひアイデアが聞きたい。

****************************************************

うわ、何だかおかたいシメ方になってしまったなー…;
私は“考えるより感じたい”ライトオタクだから(なんじゃそりゃ!)
楽しめればいいんですけどもね(^^;)
興味はあるのに劇場まで足を運べなかった皆さん、DVDオススメです♪♪

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック