宝塚歌劇「エリザベート」

画像先週末は関西に帰り、久々に宝塚で「エリザベート」を観てきました。やっぱ大劇場は広くてゴージャス
・゚。.:*:・'(*´д`*)゚。.:*:・'・
以下、ネタバレに触れている部分もあるので、続きをお読み頂くに当たっては個々の判断にお任せします。


新生雪組版「エリザベート」はもう…とにかく良かった!!!
以前観た花組版・月組版もそれぞれに素晴らしかったですが、
何回観ても壮大な音楽劇のスケールに圧倒され、余韻に包まれます。
黄泉の帝王であるトート役ひとつ取っても、
花組版・春野さんトートは“男らしく野性的”
月組版・彩輝さんトートは“美しく妖艶”…という具合に
演じる人のカラーの違いを楽しめる(^^)
今回の水さんトートは、その両方を足して2で割った感じ??
妖艶でもあり、時に怖いほどの迫力もあり!
エリザベートに求愛=死に誘おうとして、あともう一押し?というところで拒絶されるたびに見せていた、愛憎入り混じったような、怒りの裏に悲しみが隠されたような心底悔しげな形相が、背筋ぞっとするほど凄まじかったです。

そして、今回の宝塚版を観劇して改めて、
昨年に日生劇場で観た東宝版との違いをはっきり感じました。
私なりの感想を一言で言い表すとすれば、

宝塚版エリザベート…「華麗で哀しく切ない」
東宝版エリザベート…「ハードでリアルで生々しい」

といった印象。東宝版のどぎつい表現が宝塚版では緩和されていたり、
宝塚版にあった華やかな演出が、東宝版でははしょられてたり。
どちらかにあって、どちらかにはない場面というのが、双方結構あります。
観る人によって好き嫌いがはっきり分かれそうですが、
私はそれぞれに甲乙つけがたくて好きです。
(皇太后ゾフィーの最期については、皇帝の母としての本心が語られる東宝版の方が、人物の掘り下げが深く感じられて好き。ウィーン版にもある場面なのかな?
宝塚版ではそれがカットされ、あくまで主人公の敵として描かれているとしか思えない描写が、非常に惜しく感じられる。
ミュージカルでは私の知る限りどのバージョンも、皇太后ゾフィーは最後まで嫁と敵対している姑の印象が強いけれど、史実のエリザベートは後年、厳格なゾフィーの行為は自分への悪意から出たものではない事に気付き、「大公妃がすべて良かれと思っておられたのは確かなこと」と語っていたそうですし、ゾフィーの最期の瞬間まで片時もそばを離れなかったのはエリザベートだけだったそうです。)

残念ながらオリジナルであるウィーン版は観たことがないのですが、大劇場内のキャトルレーヴで買った演劇雑誌「レプリーク・ビス」3月号で、概要程度の情報は得られました。(1冊まるごと「エリザベート」特集。ウィーン版・宝塚版・東宝版ほか、海外公演版に関する紹介記事がふんだんに掲載されていました。東西の役者さん達のインタビューも満載。ウィーン版のルドルフ皇太子役:ルカス・ペルマンさんの、まさに「王子様!」とお呼びしたくなるような、美しく端正な容姿に溜め息…!)
ウィーンでの初演以来、ハンガリー・スウェーデン・フィンランド・オランダ・スイス・ドイツ等々、ヨーロッパ諸国それぞれのバージョンで上演されヒットを記録してきた「エリザベート」ですが、最も遠く離れた東洋の国であるはずの日本 (の、宝塚歌劇団) が、どこの国よりも早く「エリザベート」の良さを見出して上演権を獲得し、口火を切るかのように人々に広く知らしめた事が、大和民族としてちょっぴり嬉しく誇らしい♪なんぞ思ったワタクシです。
(別に自分はなんの手柄も立ててないケドねー。-∀-;)

ミュージカル「エリザベート」を初めて観て、私がその人物の存在を知ったのは、およそ10年くらい前?梅田コマで初演された東宝版でした。(その時の東宝版はまだ、演出面で宝塚版と大差なかったような記憶が…)
正直言うと、皇妃としての務めから逃れ、愛息子を宮殿にほったらかしにしてまで旅を続けるエリザベートの生き方に、共感しきれないものを感じていました。
今思えば、想像を絶するほどのストレスが産む心の病に対する知識や理解が、その頃の自分には足りませんでしたね。
でも今日に至るまでに、皇妃エリザベートに関する様々な解説本等を読んだり展覧会を見たりして、新たな知識を少しずつ得られていった事も相まり、自分内での
エリザベート=シシィへの理解が、以前よりは深まったように感じます。
むしろ、孤独感やストレスに晒されがちな現代人の感覚に、
魂の自由を求め続けて精一杯生きたシシィは、受け容れられやすい人物なのかも。
だからこそのシシィ人気なのでしょうか。

ちなみにミュージカル版の役者さんで、私が個人的に一番好きなシシィは
宝塚の現役男役さんが初めて演じた (“ごついエリザベート”などと言われがちな!?)
月組版の瀬名さんシシィ。(東宝版の一路さんは、宝塚退団後だから別として。)
男役さんが演じる娘役の、独特の力強さに惹かれます。
あと、一番好きな場面は(多くの人は一幕最後の、ゴージャスに着飾ったシシィ登場の場面を挙げると予想され、私もその場面は好きだったりするけど)
見た目に大変地味ながら・・・二幕終盤の、
年老いたフランツが旅先のシシィを訪ねる「夜のボート」の場面です。
愛情はあるはずなのに心が通じ合わない老夫婦の背景で、
仲良さげに寄り添っている老夫婦との対比が何とも哀しい。
(この感覚は、20代までの自分だったら判らなかったと思う。)
その場面でしみじみと切なさを味わった直後に、
ルキーニに思いっきり水を差されるんですけどね(苦笑)

関西から戻って以来、脳内をぐるぐる回り続けて離れないエリザソング。
昨日は会社で仕事中ずっと「キッチュ!」が回り続けてました(なんでやねん)
ああドイツ行きてえー…オーストリア行きてえー…(><)
そしてシルベスター・リーヴァイさんのように、
シェーンブルン宮殿に住んでみたい!!
(シェーンブルン宮殿内には、一般の人が住める賃貸部屋があるんですってよ奥さま!!
しかも家賃は月十数万円程度…それで世界遺産の宮殿に住めるなんて!
なんて太っ腹なオーストリア!?!?)
もし住めるとしたら、部屋着はとーぜんジャージじゃなくて(笑)ドレス。
出来れば白のゆったりしたロングワンピース着て、
窓辺で「わたーしだーけに~…」を切々と歌い上げればなお、
ハプスブルクの皇后さま気分が盛り上がるんちゃうかと…!
(ベタな妄想をくり広げております)

この記事へのコメント

のりみ
2007年06月20日 21:22
「エリザベート」私も大好きです。といっても宝塚版と東宝版の2回しか観たことがありませんが、「愛と死のロンド」の曲はすご~くいいですよね♪祐一郎トートにすごくハマりました。

一昨日、手塚治虫記念館で行なわれたミュージアムトークを聴講したのですが、ちょうどベルばら、リボンの騎士、そしてエリザベートの話題でなかなか楽しかったです。内容がリンクするので、rikansさんのこの記事、紹介させていただきました。トラバさせていただきます。
rikans
2007年06月23日 04:45
のりみさん、コメント&トラバ&拙記事のご紹介をありがとうございました。
中野晴行氏のミュージアムトーク、私もぜひ聴講したかったです!

私が初めて出会った「エリザベート」は、親記事にあります通り、宝塚版ではなく初演の東宝版でした。実はこの時の感想は、意外にもあまり良くありませんでした。私の観た公演日が山口トートだったか内野トートだったかは記憶がさだかでないのですが (汗) 物語の狂言回しとも言うべき高嶋ルキーニの台詞が、終始怒鳴ってばかりいる印象で何を言ってるのか聴き取り辛く、物語の流れが掴みにくかったのですね。まして自分にとっては初エリザ観劇ゆえ予備知識もなかったので尚更…;
それが昨年観たバージョンでは、高嶋ルキーニの台詞にもリズミカルな緩急がついていて、見違えるほどに良くなっていました。既に宝塚版を2回観た後でもあり、バージョン毎の演出の違いを堪能する事も出来ました(初演観劇時よりもオタクになってます/笑)
東宝版のスタジオ録音CDも愛聴していますが、山口トートの歌声は厚みがあって聞き惚れますね!

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