心に刺さった「手紙」

例年通り母と交代で、祖母の介護をしに通院していた夏の10日間。
今年春頃から祖母の体調が不安定だった事と、施設のベッドの
空き待ちのため、老健ではなく病院で療養を続けている。
病気の後遺症で寝たきりになって早3年半、
お盆と年末年始の帰省期間だけの臨時要員ながら
施設での身内の介護を体験してみて、
世の中には実に様々な境遇の人々が生きている事を実感した。

過去の関連記事(自分用メモも兼ねて)
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2006/08/26

そんなある時、母に「この歌詞、新聞に載ってたんやけど凄いよ」
と教えられた歌が、こちら。
手紙 ~親愛なる子供たちへ~ 樋口了一

>年老いた親の自分の子供へ向けたメッセージが歌われている。
>元の歌詞はポルトガル語で書かれており、作者不詳(読み人知らず)。
>樋口了一の友人、角智織の元に偶然届いたチェーンメールに
>詩が記載されていて、この詩に感銘を受けた角が詩を翻訳、
>樋口に見せたところ樋口も感銘を受けたため、曲の制作・発売に至った。
(以上、ウィキペディアより引用)

母が見せてくれた新聞記事の切り抜きによると、
amazonランキングで1位になったこともあるらしい。
こんな歌が話題になっていたとは、知らなかった。

この記事を書いている現在、まだ曲は聞いていないけれど
(YouTubeで公式動画の視聴が可能)、
歌詞を最後まで読んだだけで、胸が一杯になった。
一行一行が生々しいほど鮮烈に現実と重なり、
(祖母と孫の関係であっても十分。母の立場なら尚更だろう)
でも決して、押し付けや恩着せがましさなどは感じられず、
優しく静かに愛情いっぱいに、胸に響いてくる手紙。
実感をともなって感銘を受ける世代は恐らく、若く見積もっても
(否が応でも、自分や親の老いを自覚しはじめる) 30代後半以降
かと思われるが、高校の教科書に載せてもいいんじゃないだろうか。

歌詞の引用は禁止されているのでここには書けないが、中でも特に
今の自分に思い当たる所があってショックを受けた一節がある。
うちの母はぼけているわけではないけれど、同じ話を
前に話したことを忘れて、繰り返す事がわりとよくある。その度に
短気で面倒くさがりな私は、終わりまで言わせず遮っていた。
それ以外でも、実の親である気安さからつい感情にまかせて
キツい言葉を投げ付けてしまった事は数知れず…
自分はなんと、思いやりに欠けた不孝者だったのか。
気付くのが遅ければ、もっと後悔していたところだった。

原文を綴った人も凄いけれど(どんな人が書かれたんでしょうね)
訳詞も、行の端々に至るまで凄い。
何度読み返しても心が揺さぶられ、涙が溢れ出る。
自分の親もいつかは、祖母のようになってしまう時が来るんだろうか。
もしそうなった時、私は(母が、祖母にしているように)
しっかりと向き合う事が出来るんだろうか。
(いや、そうなったらもう覚悟決めて向き合うしかないんだけれど)
親が子に向けているメッセージというだけではなく、
親が年老いても、命が残り少なくなっても、
悲観せずに明るく力強く向き合えるよう、
子が自分自身に言い聞かせている言葉にも思えて仕方が無い。

─────────────────────────────

ただし、この「手紙」を各個人がどう受け止めるかは
親が子と、どういう親子関係を築いてきたかにもよるかもしれない。
現代社会に存在する様々な児童虐待の現実をも思い出し、
そんなことも考えさせられた。
改めて、自分の親に感謝したい。



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